私が養鶏に関わりましてからの農産物の動きを見ていますと、昭和20・30年代は「満腹感」を求め、満腹になると「栄養」を求め、栄養を求が満ち足りると「美食」を求めて、美食のはてには「肥満」となり、その後不健康となり、次には「健康食」を求めるようになってきているのが現状ではないでしょうか。

 会社を設立しましたのは昭和38年8月で御座いまして、その当時は日本の経済も農業も順調に発展していた時であり食料も工業製品も作れば作るだけ売れる時代でした。
そのような流れの中で昭和48年に第二農場の拡大増設を行いましたが、その折りでも生産された卵の販売には結構苦労させられたものでした。そして翌年の昭和49年には農林省の成鶏羽数凍結の通達が発令されて、卵価維持のために飼育羽数の増羽はだめであるということになりました。
 しかしそのような通達が出ても陰で増羽する人は後を絶たず、経営基盤の弱い人達からこの業界を去って行ってしまいました。幸いにして小社の場合は、育雛から成鶏の飼育管理・ジーピーセンター・卵の販売・鶏糞の処理まで一貫した経営を続けて参りましたので、やっと現在まで生き残る事が出来たしだいです。しかしここに来て、高齢化社会人口の減少、世界的な経済構造の悪化等に加え、食品のトリサビリテイ等々の問題が顕著になってきて、コストダウンに挑戦してもなかなか思うようにはなりませんでした。
 もちろん私なりに努力もしましたが、いろいろな良い人々との出逢いにより今日があります。紹介で叶った大手企業との取引、自分が現在まで健康で過ごせたのも卵油を教えて頂いたからだと思っています。作り方を教わり、自分で作り、飲み始めてから20年以上たっております。そして一昨年末には霊芝を教えて頂き、霊芝を知る事が出来ました。

 そんな中で考えた事は霊芝を取り込んだ卵油を作ることでした。もっともその卵も自家飼育している烏骨鶏の遺伝子を取り込んだ卵を使った卵油で、更により良い健康食品への方向づけをして参りたいと思った次第です。
そして又、この度の「烏霊芝卵油」の製造開発等にあたっても、多くの方にお世話になりながら販売されるようになった次第です。

 卵油につきましては、昔の老人たちが生活の知恵として自ら作り、ひ弱な子供に与えたり。あるいは大人の病弱者に飲ませて家族の健康を願ったものでした。最近の健康食品ブームの中で色々な種類の品物が作られ販売されていますが、それぞれ大きな組織のなかで作られた物量作戦の物のようです。小社の烏霊芝卵油はヒヨコも自社育て、成鶏も自社飼育、卵油作りも小社の従業員がすべて心より愛情をこめて作り上げた物です。
 昔から「健康な体に健全な精神が宿る」と言いますが、どうぞ健康で明るい家庭や社会へ向けての道をあゆんで頂くようにと愛情込めて作り上げた物です。
平成14年3月